ラ・カングレハ国立公園について

19世紀末、ラ・カングレハ国立公園が位置するプリスカル市は、真のエデンの園”と呼ばれるほどに大地は緑豊かでした。
しかし、その後の無計画な土地管理、天然資源の搾取により、その大部分を失ってしまいます。それでも、僅かながらに残ったエデンの園は、現在、ラ・カングレハ国立公園として生き続けています。

1984年、当時のコスタリカ政府はラ・カングレハを保護区として制定しました。
コスタリカの保護区とは、天然資源を保護し自然を保全するための特別な法令により守られる土地のことです。
そして2002年6月5日、世界環境の日に、非営利団体エコトロピカ基金(以下、エコトロピカ基金)と多くの賛同者の尽力を持って、ラ・カングレハは政府によって国立公園として制定され、さらに保護される土地も2,240ヘクタールと拡大することになりました。

ラ・カングレハという名前は、公園を見下ろす高さ1,305mの“ラ・カングレハ丘”の形に由来しています。
ちょうどこの丘を上から覗き込むと、巨大なカニ(“El cangrejo; エル・カングレホ”はスペイン語でカニという意味)の甲羅と、丘の頂上から延びる峰はカニの足のように見えます。

また、先住民の間ではこういう伝説も残っています。

「はるか昔、険しい山道に出現した巨大なカニが、隣村へと続く小道をさえぎり住民を困らせた。
そこに勇ましい戦士が立ち上がり巨大ガニの足を切断してしまった。
カニはそのため激怒したが、ついに自分自身を石に変えることで降参し、そのため丘の頂は今でも岩として残っている」

コスタリカで2番目に新しい国立公園、ラ・カングレハ国立公園の規模は小さなものですが、ここでしか見ることのできない貴重な植物も茂り、知る人ぞ知る穴場的な存在です。
また、国立公園は通常、MINAE(環境エネルギー省)の管轄ですが、ここ ラ・カングレハ国立公園は、エコトロピカ基金が自然保護の為に買い取った一部の土地がMINAE管轄外として存在しています。